省エネ計算の法律:建築物省エネ法とは?
- 承子 山口
- 2024年8月5日
- 読了時間: 4分

近年、地球温暖化やエネルギー資源の枯渇が深刻化していて、私たちの生活やビジネスにおいてもエネルギー効率の向上が求められています。
特に建築物は多くのエネルギーを消費するため、その効率化が重要な課題です。
このような背景から、日本では建築物のエネルギー消費を規制するための「建築物省エネ法」が2015年に公布されました。
省エネ法の成り立ち・変遷については別のブログで解説しています。
■建築物省エネ法の概要
>法の目的
>対象と対応
>基本要件
■具体的な規制内容
建築物省エネ法の概要
>法の目的
建築物省エネ法の主な目的は、建築物のエネルギー消費性能の向上を図る、つまり
上記によって地球環境への負荷を軽減し、持続可能(サステナブル)な社会の実現に寄与することです。
>対象と対応
対象と対応は以下の通りです。
・2025年4月1日以降に着工する物件
床面積10㎡以上の新築・増築・改築を行うすべての建築物が適合義務
・上記以前に着工する物件
床面積300㎡以上の新築を行う非住宅建築物は適合義務
増築・改築を行う非住宅建築物は条件によっては適合義務
※条件は説明するとややこしいのでフローを乗せておくよ
床面積300㎡以上の新築・増築・改築を行う住宅は届出義務
上記以外かつ10㎡を超える新築・増築・改築を行う建築物は建築主への説明義務
※ちなみに「改修」と「改築」は違うのよ
適合義務:下記の基本要件を満たしたうえで、指定確認検査機関の審査を受ける。
届出義務:基本要件を満たさなくてもよいが、書類を作成し所管行政庁に提出しなければならない。
説明義務:建物の省エネ基準への適合性を確認し、その結果を建築主に説明する。
>基本要件
基本要件は、
これにより、建物全体のエネルギー消費が削減されることを目指しています。
ちなみに、UA値には等級が1~7まであり、さらに地域区分で詳細に基準値が設けられています。
現行の建築物省エネ法では等級4のUA値が基準となっています。
UA値・等級・地域区分・BEIについては別ブログで解説します。
具体的な規制内容
規制している要素については、前述した2つです。
・外皮性能(UA値)
・一次消費エネルギー(BEI)
建物の種類と「新築」「増築・改築」ごとに分けて適合要件を記載します。
>新築建物
非住宅建築物
UA値 未達成でもよい
BEI BEI≦1.0となっていること
住宅
UA値 地域区分ごとに定められたUA値を下回っていること
BEI BEI≦1.0となっていること
>既存建物の増築・改築
非住宅建築物
UA値 未達成でもよい
BEI ・H28.4.1以降に新築した既存部分は無条件で1.1とする。
・上記以前の既存部分は無条件1.2とする。
・増築・改築した部分のBEIを算出し、既存部分と面積案分する
面積案分したBEIが、
・H28.4.1以降に新築されたものについてはBEI≦1.0となっていること
・上記以前に新築されたものについてはBEI≦1.1となっていること
住宅
※※※※※※※※※保留※※※※※※※※※※※
UA値 上記地域区分ごとに定められたUA値を下回っていること
BEI BEI≦1.0となっていること
>評価方法
非住宅の評価方法
精緻/作業量大 ⇔ おおまか/作業量小
※スクロールしてください。
戸建住宅の評価方法
精緻/作業量大 ⇔ おおまか/作業量小
※スクロールしてください。
共同住宅の評価方法
精緻/作業量大 ⇔ おおまか/作業量小
※スクロールしてください。
法律遵守のメリット
環境への貢献
建築物省エネ法に従うことで、CO2排出量の削減が可能となり、環境保護に貢献できます。また、持続可能な社会の実現にも寄与します。
経済的メリット
エネルギー効率の高い建物は、長期的に見てエネルギーコストの削減が期待できます。また、建物の価値が向上し、投資としても魅力的です。
補助金や税制優遇
法律を遵守することで、国や自治体からの補助金や税制優遇を受けることができる場合があります。これにより、導入コストの一部を軽減することができます。
5. 最新情報と今後の動向
法改正の動向
建築物省エネ法は、社会のニーズに応じて定期的に改正が行われています。最近の改正では、省エネ基準の強化や新しい技術の導入が検討されています。
関連制度との連携
ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)などの関連制度とも連携し、建築物の省エネルギー化をさらに推進しています。
6. おわりに
まとめ
建築物省エネ法は、私たちが住みやすく、持続可能な社会を築くための重要な法律です。この法律の理解と遵守は、環境保護だけでなく、経済的なメリットももたらします。
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